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俺は一人、学校に向かって歩いている。
周りには着飾った女子達が昨日の番組がどうだの、ハイテンションで語っている。
「どうしてあんな気分になれるんだ。」
不思議でしょうがなかった。
朝はもっと静かに過ごすべきだと思う。
ま、俺は低血圧だから朝が苦手なだけだが。
学校まであと少し。だが、その時
「ゆっき~。」
語尾にハートマークが付きそうな勢いで呼ばれ、俺の気分は更に落ちた。
そう言えば忘れていた。
「はぁ…。」
溜め息がこぼれる。
「はよっ!!」
ボスッ!!
そんな鈍い音と共に、尻に衝撃が走る。
「毎度、痛てーよそれ。ヤメろよ鳴海。」
鞄で俺のケツを思いっきり殴ってきたのは幼なじみの 母堂鳴海 (ボドウ ナルミ)。
背が高く、少し長めの髪の毛を整髪剤で散らせている。顔は…いわゆるイケメンと言うヤツだ。しかも、爽やかだから女子に人気だ。
「わりィ、わりィ。つい癖で。」
どんな癖だよ。
「…ったく。」
俺の1日はこうやって始まる。
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