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授業の終わりを告げる鐘が鳴ると、クラスの皆はガサゴソとペンを片付け始める。
「おーしっ!今日もお疲れ。また明日な~!!」
いかにも体育系ですって感じの担任の先生が雑音に負けないくらい声を張り上げて喋った。
「なぁ、これからどうする?」
「駅前行かね?」
「一緒にかえろ~。」
「うん、かえろ。」
「先生さよなら~。」
「おぅ!気ぃつけて帰れよ~!!」
授業から解放され、意気揚々と出ていく生徒たち。
「よっ!ゆっき。」
「………。」
「…??…ゆき??」
「あ、あぁ。どうした?」
呼ばれていたことに気がつかなかった。
そんな俺を心配しているのか、鳴海は俺の前の席に座り、こっちに体を向けた。
「おい、どうした?今日のお前おかしいぞ?朝ボーッとしてるかと思ったら、授業中も上の空って感じだったし。」
そうなのだ。頭から今朝の事が忘れられず、授業なんかに集中なんて出来なかった。
「女の子が…。」
「女の子?」
いつの間にか周りは、誰も居なくなっていたため、教室の中はひっそりとしている。
俺は今朝遭ったことを話した。
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