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「シンデレラ、今日も美しいですね。そしていい天気です」
「……本当にきた」
「ええ来ましたよ。徹底的に貴方をくどき落とし…ではなく、仲を深めたくてとりあえず食事でもと御誘いにきたのですが」
「有難う。でも俺、今掃除中で…」
「聞こえません」
「へ?」
「なんだか風の音で聞こえづらいです」
「いや風とかないし」
「さぁいきましょう」
「ちょっと!だから掃除がまだ」
「あとで貴方のお母様に説明しておきます。執事1が」
「お前がしろよ!!うわあああああ!!」
半ば強引に手を引き、なんとか彼を外へ出した。
そして今日食事する場所へ徒歩で行く。高すぎず安すぎず雰囲気が楽しめるバーをみつけたのだ。
まだ昼だからムードもないが彼に飲ませたいものがある。だからこの店以外は考えられない。
「もう、いい加減手離せよ」
「逃げませんか?」
「逃げない」
「嘘ですね」
「え?」
「どこか後ろめたさを感じますか?あとで何か言われるのが怖いですか」
「……」
「その時は私も一緒に怒られます。こうみえても怒られたことないんです」
「それ自慢?」
「はい」
「………あの、さ。王子様ってそんなに…暇、なの?」
「…なぜ」
「あのパーティーでも思ったけどジークの両親、早くジークが結婚して欲しくてパーティーをひらいたんだろ?終わってもそれは変わらなくて。なのに俺とこんなの…いいの?」
「両親にはいいました。好きな人ができた。その人と婚約する予定だからもうほうっておいてくれと」
「……」
「私の親変わってまして。結婚するなら相手が位が低くてもかまわないらしいんです」
「じゃあ男でも?」
「さすがにそれは話してませんが、まぁいったらいったで反対はするでしょうね」
同性愛に関しては厳しいからな。
「しかし問題ありません。必ずや説得してみせます」
「……」
「……迷惑でしたか」
「え」
「軽そうに見えるかもしれませんが、私は本当に、シンデレラが……」
「っ、あ!つ、ついた。ここじゃない」
「え」
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