裏・ツンデレラ

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シンデレラの声に足を止め、建物を見る。 レンガ作りのその建物の看板には【Eternal(エターナル)】と大きく書かれていた。 永遠という意味だ。 どこか神秘的でロマンティックなそのお店の中は確かに幻想的で綺麗だった。 バーの中は暗く、しかし天井はプラネタリウムみたいに星が輝いていた。 どこかに投影機を置いて、それらを天に照らしているのだろう。 バーカウンターの前ではバーテンダーがしゃかしゃかとシェーカーで振るっている。 とりあえず俺とシンデレラはバーカウンターの前のカウンター席に座った。 「いらっしゃいませ。お客様」 昨日、店を見つけたあと、執事1をつれて事前に今日の事の説明を彼にした。だから彼は俺の事を知っている。というより俺が王子だというのは既に知られていた。目立った行動をした覚えはないのだが。 「彼に例のものを。俺…私にはあれを」 「かしこまりました」 カクテル名を伏せて言う。既に何を頼むのかも昨日伝えておいた。 何もしらないシンデレラはただただぽかんと俺を見ている。 「常連、なのか?」 「いや、初めて」 「はじめてなのに通じるの?」 「まぁ…」 「かっこいいな。こういうの。俺も今度言ってみようかな」 「それはやめた方がいい」 絶対通じないから。 色んな何かの液体をまぜてシェイクしていく。 しゃかしゃかしゃか。 心地いい音はどこか眠気を誘う。 「お待たせ致しました」 やがて、シンデレラの前にオレンジ色のカクテルがテーブルに置かれる。
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