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「凄い…」
「え?」
「いや、あんな辛いの涼しげにのめるなんて」
「惚れた?」
「なんでそうなる」
「お待たせしました」
横から入るように、料理が出される。
湯気たつスモークサーモンを目にシンデレラのお腹は素直になった。
「全部食べていいよ」
「や、それは…てか高そう」
「安心していいよ私が出すから」
「や、でも」
にっこり笑う。まぁ出すといったけど昨日、既に先払いしたんだよな。
「俺はシンデレラが食べてる所みれるだけでお腹一杯なんだ」
「それだけで腹なんかふくれ……俺?」
「ん」
「今俺って」
「あー。うん、幻滅したかな。普段俺っていうんだ。でも好きな人の前ではいい格好みせたくてつい…ごめん」
「いや、別に…俺でいいよ」
「本当?」
「いいよ。むしろ俺っていってほっとした。やっとジークの素が見れた気したから」
「……」
「じゃ、じゃあまずはこのスモークサーモンを一つ……あむ。!!!美味い!!すげぇ美味いジーク!」
「あ、ああ。良かった」
素を見せる事にずっと躊躇っていた。しかしいつか好きな人には全てをさらけ出したいと思っていた。
自分の汚い部分も含めて。
だけど嫌われたくないからと仮面を無意識につけていたのだ。
「駄目だな…」
「?ジーク」
「好きといいながら、俺はシンデレラに自分のこと全然話しもしない。見せもしない」
「いいよ無理しなくても」
「そうはいかない」
アルコールのせいだろうか。
既にもう酔っているのか…
「俺は……」
いってしまうのか?
いったら嫌われるぞ?
心の中でもう一人の自分が囁きかける。
それでも、いつかばれるよりは言いたい。
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