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自分はこんなに姉達のいう事を嫌々聞いて動いて、自分がしたい事何一つ出来なくて、でも姉達は自由に行動出来て、城へ行って優雅な一時を過ごしてる。
何もしない姉達が何でそんな贅沢をしなくてはならないのだ。
シンデレラはもう我慢の限界だった。
「…こんな仕打ちってあり?…俺だって、本当は城に行きたいよ。行って食べた事のないものを沢山食べたいしゆっくり楽しみたい………一時間でもいい、そんな夢のような時を過ごしたい…」
悔しさに拳を震わせる。
その時だ。
背後から何かを感じたのは……
『シンデレラ』
名を呼ばれ振り向くと、そこには黒いフードを被って片手に杖らしきものを持ったおばあさんが立っていた。
家の鍵は確かに閉めた筈なのに、どこから入ってきたんだと疑問が沸き上がる。
「…あんた、は…」
おばあさんはただ微笑むだけだった。
でもこの手に持つ杖を見ると、まさかと内心思う。
この人は魔法使いなんじゃないかと…
そんな馬鹿な事が浮かんでしまった。
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