異色副会長

赤い雄志

それから数週間、颯は毎日の様に呼び出しを食らってはケンカをし、また呼び出しを食らってはケンカをして

日に日に増えていく傷に皆は怖じ気づくばかりだが、何故か僕は恐怖心など微塵も無く、逆に少し心配だった。

だって、颯は売られたケンカしか買わなかったから。

それだけで勝手にいい奴なのかもしれないと思えた当時の僕に驚くが。

まあ、でもそういう奴は今でもちょっとマシな奴なんだろうなって思うけど。

そして何を血迷ったのか、そう思った矢先、僕は休み時間に奴に声を掛けてみる事にした。