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「…なんですけど、どうでしょうか?先生」
不安気に見上げてくる女子生徒に、頷いた。
「そうですね。大丈夫でしょう」
「良かった」
文化祭実行委員のその生徒は、ホッとしたのか嬉しそうに笑った。
当日の人員変更に不安があったのだろう。
「それで、お願いします」
「はい!」
元気のよい返事に頷き、歩き出そうとした時、楽しげな笑い声が耳に入った。
背後から聞こえる、そのひどく楽し気な笑い声が、誰のものか等、考える必要もない。
共に聞こえてくる声が、女性のものだと分かり安堵する。
「あの…」
こちらを窺うような声に、視線を向ける。
話は終った筈なのに、まだ居たのか…。
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