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「いや、似合ってる。可愛いよ」
千鶴の顔が、パァと明るくなった。
頬を上気させ照れくさそうに笑う。嬉しくて仕方ないという笑顔に、俺の顔も緩む。
素直に育ったな。
実際、千鶴は可愛い。性格もそうだが、見た目も悪くない。
千鶴の母親も美人だった。
今はまだ、あどけなさが残っていて、大人の顔と子供の顔が瞬時に入れ替わり、クルクルと印象を変えるが
後、2年もすれば、周りから美人と認識されるだろう。男が放っておけないくらいに。
まあ、今でも十分モテているようだが……。
男子バスケ部の連中を見ていれば、千鶴に人気がある事が分かる。
今は、俺や矢内の手前、手を出そうという奴はいないが、矢内と別れた事実が広まれば、言い寄る者が出てくるだろう。
矢内という前例がある事で、俺が千鶴の交際に口を出さないと認識されているようだしな。
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