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誰であれ、千鶴に男が近づくのは、やはり面白くない。
どうしたものかと考えを巡らせていると、自分が男からどう思われているかなど考えもしない千鶴が、にへらっと緩んだ笑いを浮かべながら、トコトコと近づいてきた。
「可愛い」と言われた事が余程嬉しかったのか、なんとも幸せそうに笑う千鶴を見て、力が抜ける。
……まあ、お前が幸せなら、それで良い。
ポンポンと頭を撫でると、千鶴が気持ち良さそうに目を閉じた。
やっぱりお前は猫だな。
クッと笑うと、不思議そうな顔で見上げてくる。
きょとんとした大きな目に、じっと見られると、
困ったね。ここは学校なんだけど……。
いや、学校の方がマシか。家じゃあマズイな。いろいろと……。
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