04.

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「なに?」 「……何でもない。 それより、これをホッチキスで留めて」 プリントの束を指さすと、千鶴は、納得いかないのか、ぷぅと頬を膨らまし、それでも、プリントの束を覗き込んで、渋々作業を始めた。 「ねえ、なんでアキちゃんの名前知ってるの?」 パチッ、パチッとプリントを留めながら、千鶴がいきなり口を開いた。 ……アキちゃん? 唐突に出てきた名前に、パソコンの画面から千鶴に視線を向ける。 いぶかしむような顔。 「瀬戸さん!何の絡みも無いよね?」 「無いねぇ」 「じゃあ、なんで?」 さっきから、チラチラと俺を見ていたのはその所為か。 不安げに揺れる目で、俺の応えを待っている千鶴を見て、苦笑いする。 何を心配しているんだか。
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