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その日は異国から取り寄せた桜が綺麗に咲き乱れ、国民はみな出掛けていた。
丘の上にそびえ立つ城から、小さな国は一望出来た。
「レイ…入ってもいい?」
ドアをノックする母。
母は返事を待たずに扉を開けて、申し訳なさそうに、白いドレッサーの小椅子に腰かけた。
「なあに?母様、桜が綺麗よ」
「そんな素敵な日に申し訳ないけれど…
チハヤ様がいらしたの。
少し会ってくれないかしら?」
母が暗い顔をしてる意味が分かった。
思わず、私も暗い気持ちになりかけたが
「もちろんよ!
ぜひ通して下さい」
と笑顔を見せる。
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