0,prologue

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その日は異国から取り寄せた桜が綺麗に咲き乱れ、国民はみな出掛けていた。 丘の上にそびえ立つ城から、小さな国は一望出来た。 「レイ…入ってもいい?」 ドアをノックする母。 母は返事を待たずに扉を開けて、申し訳なさそうに、白いドレッサーの小椅子に腰かけた。 「なあに?母様、桜が綺麗よ」 「そんな素敵な日に申し訳ないけれど… チハヤ様がいらしたの。 少し会ってくれないかしら?」 母が暗い顔をしてる意味が分かった。 思わず、私も暗い気持ちになりかけたが 「もちろんよ! ぜひ通して下さい」 と笑顔を見せる。
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