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母は相変わらず暗い顔のまま、少し口元を緩めて立ち上がった。
部屋を出るときに
「やはり…婚約を破棄してもいいのよ?
エナ様もお父様も分かってくれると思うわ…」
母はうつむきがちで私に問いかけた。
「いいえ、お母様?
私はエナ様とお父様と国民のために…
「コロノア」と同盟を組むのです。
国が繋がれば、どちらの国もより豊かになるでしょう。
サミヤは水に栄え、コロノアには石がたくさんあるのです。
チハヤ様もそう望まれているはずです。
私は…役に立てることが嬉しいの。」
名一杯の笑顔を見せて、母に伝える。
母は涙ぐみながら
「あなたが娘で良かったわ。」
と部屋を出た。
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