0,prologue

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母は相変わらず暗い顔のまま、少し口元を緩めて立ち上がった。 部屋を出るときに 「やはり…婚約を破棄してもいいのよ? エナ様もお父様も分かってくれると思うわ…」 母はうつむきがちで私に問いかけた。 「いいえ、お母様? 私はエナ様とお父様と国民のために… 「コロノア」と同盟を組むのです。 国が繋がれば、どちらの国もより豊かになるでしょう。 サミヤは水に栄え、コロノアには石がたくさんあるのです。 チハヤ様もそう望まれているはずです。 私は…役に立てることが嬉しいの。」 名一杯の笑顔を見せて、母に伝える。 母は涙ぐみながら 「あなたが娘で良かったわ。」 と部屋を出た。
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