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「ちょっと!離して下さい! 連絡来てるかもしれないし、電波の入るとこに行かなきゃ! 逃げませんから」 半泣きで男に訴えたが男が腕を掴む手は外れず部屋の真ん中へと戻された 「何なんですかー!旦那と連絡...「その箱は何だ!」 私が訴えている声を遮りiPhoneを見ながら聞いてくる男 iPhone知らないってどんだけだよ 「iPhoneって言ったでしょ!携帯電話ですよ!スマホ!」 まくし立てるように私が言うと男はカタコトで言葉を繰り返す。 もうー本当嫌になる 「質問には答えたでしょ!外出ていい?」 男を睨みながらそう言うと、男は黙ったまま私の腕を引っ張るようにして外に出してくれた。 携帯をみながら門まで来たが電波は入らず そこで携帯から視線を外し外の世界を見てようやく異変に気づいた。 アスファルトがないし、車だってない 歩いている人はみな着物姿で私のことを怪奇そうに見て行く まるで時代劇の世界 私は背中に冷たい物が流れるのを感じながら、男に目をやりこう聞いた 「今は何年ですか?」
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