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三階建て位の高さから海に向かって伸びる大きな滑り台。
傾斜がキツイ方と、少し緩やかになっている方が隣り合って設置されている。
滑り口は同じで二股に分かれている作り。
滑るときに気をつけないと反対から滑り落ちることになる。
冷静に考えるとかなり危険な滑り台だけど夢だから何の疑問も持たない。
暫く男の子と一緒に楽しく滑っていた。でも突然その子が助走をつけて滑り台に向かって行った。
危ないなぁなんてハラハラしながら見ていた。
傾斜が緩い方から滑ろうとしていたらしいが、助走のせいで傾斜がキツイ方から滑り落ちて行った。
その時私は何故か手に葡萄パンを一斤持っていた。
もちろんパンを持って滑り台を滑るつもりはなかった。
しかし、その子が勢いよく滑り落ちてしまったから慌てて追いかけてしまう。
パンを投げ出し、傾斜が緩い方から滑って追いかける…ハズが、どうしてかキツイ傾斜を悲鳴と共に滑り落ちる。
ドボンと頭から海の中に入り、ゲホゲホむせる。
でも、むせてるわりに苦しくない。
男の子と一緒にまた丘に戻る。
滑り台の近くまで行くと、さっき投げ出した葡萄パンが寂しげに佇んでいる…。
すごく美味しいって評判のパンなのに、一口も食べてないのに…。
もう食べられないけど、そのままそこに放置も出来ず、仕方なく拾う。
周囲の人の視線が痛い。
拾い食いしないよ?と心の中で弁解しながら、そっと両手で抱える。
「ぱん、もう食べれないね」と男の子が言った。
『美味しいパンだったのにね…』と呟きつつ、これ夢だなと思っている私…。
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