よくある非日常

4/5
61人が本棚に入れています
本棚に追加
/197ページ
…え?今なんて言った? "付き合って"? 誰と?この人と? え?だって長谷と付き合ってるんじゃ…… 「言っておくけど、長谷先生とは付き合ってないわよ?あっちは私に気があるようだけど。」  郁が一人で混乱してる中、菊地先生は微笑みながら言い放つ。 「うそっ?!」 「ホント。」 …そっか、しょせん噂か。 ってそうじゃなくて!! 今この人から告白されてるんだよ!! どーする、どーするのよ!じぶ ーチュー 「…ッ?!」 「あはっ。慌ててる顔があまりにも可愛くて、つい。」  爽やかな笑顔で言う菊地先生。  真っ赤になって唇を両手で覆う郁。 「…返事は?」  爽やかな笑顔のまま問いかける菊地先生。  しかし、その瞳には不安が見え隠れしていた。 …守りたい。  郁は素直にそう思った。 ーチュー  今度は自分から口付け、抱き締める。 「よろしくお願いします、先生。」  耳元でそうささやく。  空にはもう月が上っていて、その光がやさしく二人を包んでいた。 fin.
/197ページ

最初のコメントを投稿しよう!