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…え?今なんて言った?
"付き合って"?
誰と?この人と?
え?だって長谷と付き合ってるんじゃ……
「言っておくけど、長谷先生とは付き合ってないわよ?あっちは私に気があるようだけど。」
郁が一人で混乱してる中、菊地先生は微笑みながら言い放つ。
「うそっ?!」
「ホント。」
…そっか、しょせん噂か。
ってそうじゃなくて!!
今この人から告白されてるんだよ!!
どーする、どーするのよ!じぶ
ーチュー
「…ッ?!」
「あはっ。慌ててる顔があまりにも可愛くて、つい。」
爽やかな笑顔で言う菊地先生。
真っ赤になって唇を両手で覆う郁。
「…返事は?」
爽やかな笑顔のまま問いかける菊地先生。
しかし、その瞳には不安が見え隠れしていた。
…守りたい。
郁は素直にそう思った。
ーチュー
今度は自分から口付け、抱き締める。
「よろしくお願いします、先生。」
耳元でそうささやく。
空にはもう月が上っていて、その光がやさしく二人を包んでいた。
fin.
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