退廃ｴﾘｭｼｵﾝ～空白の歴史

前置き

国の平和と発展の為、他国へ留学中の王子が行方不明――。
それは国内でも一部の者しか知らない秘密。
病気のため余命の僅かな国王は王子を探すことよりも、自分の延命のため、治療や不老不死の研究に心血を注いでいた。

歯牙無い雇われ研究員だったL･K･カイザーは、半ゾンビの青年エドガーや、人形師の青年リウ・アンヘルと出会った事で反乱計画を思いつき、悪魔クラウディオ･D･アルメルスと契約を交わす事で計画を実行するための力を蓄える。

そうして結成された反乱軍によって、この世界に召喚されたばかりの青年、陸海空はフェリクス王子に瓜二つと云う容姿故、誤解されて暗殺襲撃を受ける。
その際、現場に居合わせた鳥人族の少年セスナと竜族の青年シェダは負傷し、駆けつけた大尉タクトによって軍の病院へと運ばれた。

一方、王子は素性を知られぬまま他国の組織に誘拐され、以前の面影を全く失っていた。
捕らわれの身から何とか自力で脱出し、王子を探していた城付きメイドのミーシュに出会う。白(ハク)と名乗り素性を明かさないまま我城に戻るも、彼は旅立つ前とは明らかに違う異様な空気に気付いていた―――。