だる+ロリ

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「お兄さんは本当に良い度胸してますね。もしかして只のコミュ障なんですか?」 「面倒事が嫌いなだけだと言ってるだろうが」 「では、これを機にその嫌い分野を乗り越えて下さいよ。さぁ、早くこちらへ戻りなさい」 そう言って、幼女は自分が座っているベンチの隣を指差す。 座りなおせということなのか。 ざけんな。御免被る。 ……と言いたかったのだが、よくよく見渡してみると、俺とこの幼女に周囲の視線が集まっていることに気が付いた。 こんな中で無理な行動をしたら、俺が社会的ダメージを受ける可能性大。 数秒の熟考の末、渋々幼女の隣に腰を下ろす。 「ようやく座りなおしてくれましたか。結構です」 「…………」 満足そうに頷く幼女。 そんなコイツを改めて良く見てみる。 短めの黒髪ツインテール。 10歳前後と思わしき小柄な体格。 これだけで見れば普通の幼女なのだがしかし。 こいつは、眉間に軽く皺をよせ、常に不機嫌そうに見える、お世辞にも良いと言えない目つきをしていた。 所謂ジト目というやつか。 何故こんな目つきをしているのか知らないが、そのせいで可愛らしい顔が残念な雰囲気になってしまっている。 つくづく意味が分からん。 何者なんだこの幼女は。 ピンク色のパジャマ姿を見る限り、この病院の入院者だとは思うが。 「そうですよ。スズはここに入院中の身なのです」 「…………」 驚いた。 最近の幼女は思考を読めるのか。 「お兄さんが分かりやすい顔をしているだけですよ」 「……そうなのか。よく無愛想と揶揄されるんだが」 「あぁ、分かります分かります」 ――まぁ、無愛想だからと言って、表情が読みにくいわけではありませんが。 と幼女は肩を竦める。
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