オレ+ドレ

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尚も怯えた様子で入室してきた我が奴隷。 入浴後ということで、汚らしく汚れていた髪や肌は見違える程に清潔になっていた。 しかし顔は真っ赤に染まっており、体は恥辱のためか小刻みに震えている。 その理由は恐らく、身に纏っているものがわずか"バスタオル一枚のみ"だからだろう。 「くくく。流石は谷村。バスタオル一枚とは……よく分かっているではないか」 「これでもメイドとして長いスからね。坊ちゃんの考えてることなんて御見通しっスよ」 「頼もしいな。では、"アレ"の準備も?」 「勿論」 「ご苦労」 それだけ確認し、俺様は布一枚で裸体を隠している奴隷を呼び寄せる。 「小町。近くへ来い」 「…………は、い」 目に涙を溜めながらコクリと頷くと、奴隷は素直に俺の傍へと歩み寄ってきた。 そんな奴の体を改めて眺める。 「……ふむ。貧相な体つきかと思ったが、意外と出るとこは出ているな」 「……ッ」 「くくく。これは楽しめそうだ」 この後の展開に期待を込めて含み笑いをすると、奴隷の体がビクリと震えた。 「怖いか? 安心しろ。すぐに終わる」 「……ぅ、ぅぅ」 またしても涙を流す奴隷。 それを一瞥して、俺はあくまで冷静に谷村へと視線を向けた。 「谷村。始めるぞ」 「了解っス」 頷いた谷村は一旦室外へと退散。 そして、すぐに例の"アレ"こと巨大なスーツケースを持ちながら戻ってきた。 俺様をそれを受け取り、すぐに中身を確認。 「……くくく」 そのスーツケースの中には俺の希望通り、 大量の女物の服が詰め込まれていた。 「流石は谷村。ここ最近のトレンドを厳選した素晴らしい服のチョイスだ」 「いやはやどうも。谷村自慢のセレクトっス」 「よしっ。おい小町。貴様はどの服がいい?」 「……え?」 スーツケースの中身――すなわち服を見せ奴隷にそう問いかけたが、何故か奴は呆けた表情で固まるのみだった。
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