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「義高様は・・・人質なの・・・?」
おそるおそる、ポツリとお父様に尋ねてみた。
「まさか!そんなわけないだろう。」
お父様は手を振って否定した。
「そう・・・よね。」
「あぁ。姫は婿が人質だったら嫌でそんなこと聞いたのか?」
「そんなことないわ。人質だとしても、その方が悪いわけではないもの。だけど・・・。」
「『だけど』何だい?」
「ん・・・何でもないの。」
「そうか?ならいいんだが。」
不思議そうに、此方をお父様は見たけど、追求することはなかった。
お父様は息抜きにお茶を一口飲んだ後、何だかちょっと気まずそうに頭をポリポリ掻きながら、話を再開させた。
「それでなんだがな・・・」
「なぁに?」
「義高がこっちに来るの明後日なんだ」
「そう・・・あさっ・・・て、えぇぇぇ?!」
「やっぱり、驚くか・・・。この話は早くに話そうと思っていたんだが・・・いろいろと忙しくてな。なかなか話せず、今日になってしまったんだ。すまんな・・・。」
しょんぼりして、私に向かって頭を下げているのを見て、申し訳ない気持ちになってきた。
だって、親が娘に頭を下げるなんて、よっぽどのことがない限り普通はしないもの。
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