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「お父様・・・顔をあげ「まー、2日もあれば色々と準備できるか」
私の言葉は、お父様の言葉に遮られた。
なんだか、今さらりと無茶苦茶な事を言われた気がするのは気のせいかしら?
「ねぇ、お父様。」
「ん?どうかしたか?」
「今、『出来る』と言ったかしら?」
「そうだが。何か問題でもあるかな?」
「・・・2日で準備なんて無理です!!」
「そうか?でもな、これはもう決まったことだしな。してもらわないと困るんだが。」
「でも・・・」
反論しようとする私を抑えるかのように、短く呆れた感じで、お父様はため息をついた。
「身の回りの物は他の者に頼むし、足りない物があったとしても、此方に来てから用意すれば問題ないだろう。」
「そう・・・だけど・・・。」
納得がいかずに俯く私に、お父様はこう言った。
「・・・確かに、急に婚約話を聞かされたあげく、相手が明後日に来ることに対して、戸惑いはあると思う。だから、姫はこの2日間の間で、姫自身の準備を出来るだけしなさい。話はそれだけだよ。」
私自身の準備・・・。
それは、きっと心の整理をつけろということ。
「・・・分かりました。まだ、食事の最中ですが、席を外しても宜しいでしょうか?」
お父様は、じっ、と私を見つめて
「あぁ。」
と優しい声で応えた。
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