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そっと、目を閉じ、思う。
【・・・そうよ。
何でもないの。
だって、私はこの婚約に興味がないんだもの。】
と、そう思うことで私は、とある嫌な可能性から目を背けようとしていた。
だって、その可能性は・・・とても辛い事なんですもの。
だから、私の方から否定してしまえば、きっと私は傷つかない。
こんな考え方は卑怯で醜いけれど・・・こうでもしないと私は耐えられないから。
こんな私だから、あの時、お父様に告げようとした言葉を言わなかったの。
『人質なら、私のこと好きになってもらえないかもしれないわ』
口には出さなかったけど、ずっとその言葉が残っていて、私はこの日、安眠することができなかった。
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