あの花の咲く頃

出会い

―２日後―

今日、義高様が木曽から鎌倉へ、いらっしゃる。

皆が義高様を迎えるための準備で忙しそうに、朝から走り回ってる。

そして、私はというと・・・・。

「あーーーっ！！もう！！！やっぱり２日で心の準備なんて無理無理無理ーーー！！！」

独り、床の上でジタバタしていた。

こんな姿をお母様に見られたら『なんて、みっともない姿をしているの！』って怒られるのは目に見えてる。

でも、今はそんなことより、これからの事を考えると、どうしてもモヤモヤして叫んで暴れ回りたくなるのよ。

「・・・どうしよう。義高様がこられるまで、あと半刻もないわ。」

今更、何を言ったって、この婚約話がなくなるわけではないし、義高様か急に来れなくなるなんてこともない。

つまり、私にはどうすることも出来ない。
出来ないけど・・・・。
やっぱり、このまま、大人しく従うなんて嫌！
こうなったら・・・。

「よし！決めたわ！屋敷から、こっそり抜け出せばいいのよ。」

そうしたら、いかに私が嫌なのかも少しは分かってくれるはずよ。

そうと決めたら、今すぐ抜け出さないとね。

今、義高様を迎え入れる準備で忙しいし、抜けだせるはずだわ。