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お化け屋敷と見えない少女
「うわー、結構雰囲気あるな」
「本当にでるのかよ。実際に見た事がある奴いないって噂じゃんか」
「もう帰ろうよ。本当にいたらどうするの?」
「あははっ、そんなに心配しなくても大丈夫よ」
「そうそう、幽霊なんて大丈夫だって。むしろ、出てきたらオレがぶん殴って昇天させてやるよ」
この物語はひと夏の噂に過ぎない。
なぜなら、その少女の存在を証明できた人間がいないのだから。
梔子「ねぇ、あたしはここにいるよ?」
梔子「気付かないの? あなた達もあたしに気づいてくれないの?」
梔子「誰でもいい。あたしに気づいて」
梔子「あしたはまだ死んでないって、誰か答えて……」
それでも、少女は確かにそこに存在していた。
【傍らに死神を……】
Episode2
―― お化け屋敷と見えない少女 ――
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