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死神「それで、キミがさっき聞いたね。自分が死んでいるのかと」
梔子「えぇ……」
死神「わかってはいるんだろう?」
梔子「っ!」
死神「キミは死んでしまっているよ。それは事実だ」
梔子「なんでっ! 私は今まで生きてたのに!」
死神「気がついたのは今日なのかい?」
梔子「……三週間くらい前よ」
梔子「気付いたらこの屋敷にいて。家に帰ろうと思っても玄関の扉も窓も開かない」
梔子「椅子や花瓶で窓を割ろうとしても触れない。だから、この部屋の窓から外に向けて叫んだ」
梔子「助けてくださいって。この屋敷から出してくださいって」
梔子「でも、誰も気づいてくれなかった。ううん、小学生くらいの子供たちだけちょっとあたしを見て騒いだりしてたわね」
梔子「それから、肝試しとか言いながら変な奴らがこの屋敷に来りもしたけど、誰もあたしに気づいてくれなかった」
梔子「そいつらに付いて行って出ようとしたけど、なぜかあたしだけ弾かれた」
梔子「この三週間、ずっとそれの繰り返しよ」
死神「そうか。それは辛かったね……」
柊(なんかどっかで聞いたことあるような……)
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