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「ねぇねぇジーフィ。次の新聞“双子特集”なんてどう?」
魔界学園――通称魔学。
連なる巨大な西洋風の校舎。
広大な敷地。
生徒達は皆人外。
そんな一風変わった学校の一室。
第三新聞部という立て札が掛かっている部屋の中で一人の少女が同じ部屋にいる少年に向かって呟いた。
呟いた少女は眠そうな目、着崩れた服といかにもだらしが無い雰囲気を纏っている。
寝そべっているソファーからは、光を当てると僅かに紫がかる特徴的な長い黒髪が垂れていた。
呟かれた少年は蒼眼金髪で、まだ幼さが残るその表情からは自信の無さがにじみ出ている。
「ど、どうって言われても……」
少年はソファーの近くの木椅子に腰をかけて、ひたすらノートパソコンのキーを叩いていたが、会話に移る同時にその行為をやめた。
「いやー、“双子特集”ならジーフィとソリアでゴリ押ししたらなんとかいけそうだなぁ……って、思ったり?」
「い、いやだよぉ。新聞に出るなんて」
僕が所属している第三新聞部は、深刻な記事不足に陥っている。
記事不足の原因はハッキリしているんだけれど、なかなかそれが解消できない。
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