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ルーシェは体を起こすと、少しだけ嫌な笑みを浮かべた。
「ジーフィがこの部活に入った理由言ってみてよ」
「え? それは……」
僕が新聞部に入った理由……。
「引っ込み思案なところを、少しでも治すためだけど……」
「じゃあ、もう新聞に出るしかないよね」
「だ、だから嫌だよっ」
僕がルーシェと一緒にこの第三新聞部を作ってから、だいたい一ヶ月。
入ったばっかりの時は、ルーシェに言いたいことを言えなくて、良いように扱われていたけれど、
内気な僕も、少しはこの空気になれて、多少は言い返せるようになった。
「んー、とはいっても記事が無いんだよねぇ。早く書かないとこの部活がなくなっちゃうし」
この第三新聞部は割と自由にやらせてもらっているけれど、その条件として“週一回の新聞作り”が義務付けられている。
書かないといけない新聞の量自体は多くないし、きちんとやれば楽なはずなんだけど、さっきも言ったとおり深刻な記事不足で毎回ギリギリだ。
「と、まあ次はジーフィの番。何か記事のアイディア出してよ」
「え、僕?」
「私の案を却下したんだから、それなりに良い案あるんだよね?」
さっき浮かべた嫌な笑みはこれか。
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