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ルーシェは再びソファーに寝そべった。
狭い部室を、さらに狭くしているこのソファーはルーシェの指定席だ。
「……ルーシェは完璧なインドア派だし、闘争心なんてものは持ち合わせていないよね」
「持ってないねぇ。あっ、かなりどうでも良いことなんだけど、インドア派って、“ア”を抜いたらインド派になるね」
本当にどうでも良かったのでスルーした。
「他には?」
「ええっと、《神隠し》がすごく流行ってるらしいね」
「《神隠し》って、神様がそんなめんどくさい事しないと思うけどなぁ」
「えっと、そうじゃなくて、“理由も無く突然消える人”が増えているらしいよ」
もともと、魔界で行方不明者は少なくないけれど、最近はその数が増えてきているらしい。
「ふーん。それなかなか面白そうだね。とは言ってもあと2日で調べられるかな?」
2日と言うのは次の新聞の提出期限だ。
「やってみないとわからないよ。とりあえず、掲示板で《神隠し》についての情報を集めてみるね」
「おねがーい」
そう言われ、掲示板に『特に神隠しの情報を求む』と書き込んだ。
この時が大きな騒動に繋がるなんて、知る由もなかった。
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