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「分かんないよ。何なの草壁君」
すぐに白旗を挙げた心結は、拓哉に救いを求めた。
「いいか、俺たちは付き合っている。なのに苗字で呼び合ってるのは不自然だと思わないか?」
「うーーーん、そうなの?」
「そのうちおまえの友達からも怪しまれるぜ」
「えーー、そんなの嫌だよ」
「じゃあ今から俺はおまえを心結って呼ぶ。心結も俺のことを拓哉って呼べよ」
心結はメモっていた手をピタリと止めた。
心結の顔がみるみる強張り、かなり困惑している様子。
なんで私が拓哉って名前を呼ばなくちゃいけないのよ。
でも、依理子たちに怪しまれるのも困るし・・・。
「嫌なの?心結。だったらこうするまでだけど」
携帯を見つめる心結に、拓哉の魔の手が伸びた。
「ぎょえぇーーー!!」
拓哉に背後から抱きつかれ、心結は奇声を上げた。
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