交際

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心結の頭の中では、次の新作に向け早くも構想は練られていた。 悩んだ末の内容は、拓哉との偽装恋愛、つまり実話をモチーフにしようと考えていた。 名前等はもちろん偽名で、拓哉は拓馬(たくま)、心結は夢美(ゆみ)と決めていた。 設定は現実とほぼ同じ、夢美が拓馬に恋愛についてアドバイスしてもらいながら小説を完成させるという展開で話は進んで行く。 で、忘れてはいけないのが大崎先輩のこと。 小説の中にも当然出てくるのだが、名前は大橋先輩、片想いという設定は変わらない。 現実とリンクしながら進むため結末はまだ未定。 しかしそこは小説の世界、最後は両想いにだってなれてしまうのがいいところ。 始めて恋愛小説を書く心結には、もってこいの題材といえる。 面白いかつまらないかは、心結の腕次第。 心結は連載開始に向け、意欲と情熱を燃やしていた。
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