真実 *

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数日後─── 拓哉は裏庭で携帯電話を見つめていた。 拓哉が今はまっているのは、最近連載を始めた心結の携帯小説だった。 へぇー、あいつ俺たちのこと書くことにしたのか。 なかなか面白いこと考えたな。 携帯を見つめる拓哉の顔は、嬉しそうに笑っていた。 そんな時だった─── 拓哉の目の前を、一瞬誰かが通り過ぎて行った。 はぁ~誰だ一体? 視線の先に心結を見つけ、拓哉は少しだけ驚いた。 一方心結の方は、拓哉がいることなどまったく気づいていない様子。 それどころか、尋常じゃない慌てっぷりで裏庭に入って来きたかと思えば、何かを食い入るように見つめていた。
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