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どうしたんだあいつ?
あんなに慌てて・・・・、まさか!?
不審に思った拓哉は、そっと心結に近づこうとした。
が、心結にたどり着く手前で拓哉の足はピタリと止まった。
目の前にいる心結は、明らかに図書室を見ていた。
そしてその図書室には、間違いなく大崎先輩の姿があった。
おそらく図書室で先輩の姿を見た心結が、大慌てでここへ来たことくらい、心結をよく知る拓哉には容易に推測できた。
実は拓哉は知っていた。
心結がここで先輩を見ていることも、心結が先輩を好きで、片想いしているということも。
なぜなら拓哉は心結が来るずっと以前から裏庭によく来ていた。
だから心結がここに来て何をしていたかは、すべて見て知っていた。
何も知らないのは心結だけ。
心結一人だけだった。
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