真実 *

8/21
前へ
/381ページ
次へ
拓哉は考えていた。 さっきの裏庭の光景を鮮明に思い出しながら。 なんで、なんで心結は大崎のことが好きなんだ? つい感情が高ぶり、拓哉の眉がピクリと動いた。 俺は心結のことをこれほど好きなのに・・・。 心結のことをこんなに想っているのに・・・。 なんで俺の想いは届かないんだ! 拓哉は心の中で自答自問を繰り返していた。 拓哉は心結の事が好きだった。 ずっと以前から─── 拓哉は心結に片想いしていた。 * * * * 拓哉が心結と最初に出会ったのは、例の裏庭だった。 あまり人が立ち寄らないこの静かな場所は、読書好きな拓哉にとって最高の場所だった。 その日も拓哉は一人で本を読んでいた。
/381ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2935人が本棚に入れています
本棚に追加