真実 *

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すると、周りを気にしながらひょっこり裏庭に入って来た女子生徒─── それが心結だった。 嬉しそうにズカズカ裏庭に侵入して来た心結に対し、拓哉は自分の居場所を侵害されたようであまりいい気分ではなかった。 おまけに、心結は奇声や歓声を発し、拓哉は完全に読書の邪魔をされてしまった。 なんだこいつ? 頭がおかしいのか? それが心結に対する拓哉の第一印象だった。 奇行とも取れる心結の行動を、拓哉はある程度は黙認していた。 しかし、自分が見られていることも知らず歓喜の声を上げ続ける心結の態度に、拓哉の我慢も限界が近づいていた。 ここは一発ガツンと言ってやるか! そう決心した拓哉が立ち上がった瞬間───
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