真実 *

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へぇー、山野って人気あるんだな。 確かに山野は可愛いからな。 拓哉の頭の中で京一郎たちのセリフが幾度となく蘇る。 俺が山野に抱いている想いを他の奴らも抱いているなんて、ちょっと笑えるな。 けど待てよ? ・・・・!? それヤバイじゃん! ボヤボヤしてられねぇじゃん! 誰かに告られる前に俺が告らねぇーとマジヤバイことになるぞ! 拓哉は急に焦り始めた。 けど、どうすればいいんだ? すぐに考えがまとまらず、拓哉は行動を起こせないでいた。 落ち着け、とにかく焦っても仕方ないだろ。 あー、とにかくここに居てはダメだよな?よしっ、今すぐ裏庭に行こう! 「ちょっと悪い。俺用事思い出したから、先行くな!」 言うが早いか、拓哉は音楽室を凄い形相で飛び出して行った。 声を掛ける間もなく飛び出していった拓哉を、京一郎と恵介は呆気にとられた様子で見ていた。 そして、不思議な面持ちで互いの顔を見合わせると、手を大きく広げ肩をすくめた。
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