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拓哉は息を弾ませながら、瞬時に裏庭まで辿り着いた。
そして音をたてないよう忍び足で中に入って行くと、小さな笑い声が聞こえてきた。
山野だ!山野が来てる!
心結がいることが分かっただけで、拓哉の鼓動は走っていた時以上に激しくなっていった。
それにしても山野の奴、一体いつも何を見ているんだ?
心結は来る度に、いつも同じ位置から校舎の方を見ていたので、拓哉も少し気にはなっていた。
しかし拓哉の位置からだと、それを確認することが出来なかったが、今日は違う。
今日は拓哉が心結の後ろにいるため、心結が何を見ているのかを確かめることができるのだ。
もう少し近づいてみるか。
拓哉は興奮する気持ちを押さえながら、また一歩心結に近づき、心結の視線の先を探し始めた。
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