真実 *

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自分の好きになった女子が、こともあろうか自分以外の男子を好きだなんて・・・・。 片想いの経験のない拓哉にとっては相当なショックだった。 だからと言って、大崎先輩に負けを認め、このまますぐに心結を諦めることなど拓哉にはできそうになかった。 どうすりゃいいんだよ! もし仮に大崎先輩が山野に告りでもしたら、山野は間違いなくOKしちゃうってことか? けど、そんなことは絶対にさせたくない。 って言うか、絶対させない!! 負けん気の強い拓哉は、大崎先輩に対抗心を燃やし始めた。 対抗心と嫉妬心がミックスし、ますます激しく燃え盛る炎は、もう誰にも止められない。 心結を何とかして自分に振り向かせたい。 けど、どうやったらいいんだ? 拓哉はひたすら頭を悩ませ続けた。 しかし、すぐにいい案が思い浮かぶ筈もなく、ただ目の前の現実におろおろと戸惑ってばかりいた。
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