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そんな拓哉の冷たい態度に、1年の女子は少し顔を強張らせながら告白を続けた。
「手紙・・・読んでもらえました?」
「うん、読んだけど」
「そ、それだけですか?」
1年の女子は困惑した様子で目を何度もパチパチさせると、みるみる顔色を変えていった。
さすがにこれは少しやり過ぎたと思った拓哉は、
「えっっと・・、なんだっけ。・・・確か、1年の磯島紗千(いそじまさち)さんだったよね。俺のことが好きになったって書いてあった。ありがとう」
と、手紙の内容を口に出しながら礼を言った。
しかし、拓哉のあまりにストレートな言い回しに、紗千の顔は今度は赤くなった。
けど、紗千は勇気を振り絞り言った。
「えっとぉ~、それで草壁先輩の返事を聞かせてください!お願いします!」
紗千はさらに顔を赤くさせながらドキドキする胸に手をあて、拓哉の返事を待った。
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