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はははっ、俺いつの間にか山野のこと好きって認めちゃってるし。
拓哉は天井を見つめたまま手を頭の後ろで組むと、少しだけ笑った。
よりによって他の奴を好きな女に惚れるなんて、俺もツイテないよな・・・。
拓哉は机の上にある心結の携帯に視線を移した。
「おい、俺はモテるんだぞ!今日だって1年に告られたんだ。なのに何で俺はおまえが好きなんだよ。なんで俺の想いは一方通行なんだよ」
拓哉は胸に秘めた想いを、心結の携帯に向かって吐き出した。
けど、その想いは心結には届かない。
拓哉は切なかった。
胸が押しつぶされそうなほど、苦しくて苦しくてたまらなかった。
今日フッた1年のあいつも俺と同じ気持ちなのかもな・・・。
そう思うと、拓哉の胸がチクリと痛んだ。
好きになれば好きになるほど苦しくなる。
心結の笑顔を思い出すだけで、キュ~ッと胸が締め付けられる。
このままだと気が変になりそうだ!
そんな想いに突き動かされた拓哉は、気づくと心結の携帯を手に取っていた。
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