告白 *

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放課後─── 裏庭に心結を呼び出した拓哉。 そこは、互いが大崎先輩を思い出させる場所。 拓哉にとっては決していい場所とは言えない。 その上、心結が少しだけ遅刻をしたものだから、拓哉はやけに心結に突っかかった。 拓哉の苛立ちは、なかなか静まらない。 そこで拓哉がとった行動は─── 急に心結との距離を縮めると同時に、不意に両腕を伸ばし心結を引き寄せた。 「キャーーーー!!」 驚いた心結は、当然のように叫び声を上げた。 腕の中にすっぽりと心結を包みこんだ拓哉。 心結のほのかなシャンプーの香りが拓哉の鼻先をかすめる。 拓哉はこの上ない幸せに心を委ねると、いつの間にか苛立ちは消えていた。 そんな至福の中、拓哉の身体に心結の震えが伝わってきた。 山野・・・・。 心結を抱きしめながら、拓哉は想いが溢れそうになるのを必死で押さえていた。
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