告白 *

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一方心結は─── 真っ赤な顔で、必死に拓哉の手を振りほどこうとしていた。 フッ、赤くなってる。 ますます止められなくなりそうだ。 拓哉は心結の表情や仕草に、内心ドキドキしていた。 けど、そんな素振りは決して見せたりはしない。 あくまでもクールな自分を心結に見せたいと拓哉は思っていた。 その後も攻撃の手を緩ることはなく、 ──お仕置き── と称し、心結にハグを繰り返す拓哉。 恋愛経験のない心結は、その度に動揺し目をパチパチさせ顔はますます赤くなる。 そんな心結を見るのが楽しくて、また意地悪をする拓哉。 俺ってSだったのか? そんな思いが一瞬拓哉の脳裏に浮かんだ。 *  *  * 「じゃあそう言うことで、契約成立!」 拓哉はそう言って裏庭から立ち去った。 その間2回のハグ。 心結はかなりの衝撃を受けたに違いない。 まあ今日のところはこれくらいで止めておくか、明日はもっと大変なことになるからな。 廊下を歩きながら、一人ほくそ笑む拓哉がいた。
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