告白 *

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その日の夜、拓哉は次の計画を成功させるため、京一郎に電話を掛けた。 電話の内容は──  今日の放課後、拓哉は裏庭で心結に告白をした。 心結の返事はOKで、二人は付き合うことになった。 ──というもの。 すべて拓哉の自作自演だった。 「おまえが山野を好きだったなんてな~」 拓哉の話を聞き驚く京一郎は、少しも疑った様子を見せない。 「だって京一郎も言ってたじゃん。山野は可愛いくなったって。実は俺も思てたんだよ。これはボヤボヤしてらんないなって焦った俺は、実行に移したわけ。でもさぁ俺嬉しくって、OK貰った時思わず山野にハグしちゃってさー」 「げっ、マジかよ!?いいか拓哉、山野はウブなんだ。あんま無茶すんなよ」 京一郎はいやらしく笑った。 「ああ、そうみたいだな。あっ、それと・・・・。このことは誰にも言うなよ」 「了解!」 「じゃあな!」 拓哉はそれだけ言うと電話を切った。 そして携帯電話を握ったままベッドの枕に顔を押し付けると、声を押し殺しながら笑った。
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