告白 *

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京一郎の電話を切ってから3分も経たないうちに、拓哉の携帯が鳴った。 「もしもし恵介?」 「もしもしじゃなーーーい!!お、おまえ山野と付き合うんだって?」 電話の向こうから、興奮した恵介の荒い息遣いが聞こえた。 「あはっ、早ぇーな」 拓哉は別に怒った様子はなく、顔をニヤつかせていた。 「京一郎から聞いたのか?」 「ああ、たった今聞いたばかりだ。きっとあいつ今頃他のヤツらにメールしまくってるぞ!」 「・・・・だろうな」 京一郎は約束を破り、心結とのことを言いふらしているというのに、拓哉は声を荒げることもせず、ますます顔をニヤつかせていた。 よしよし、いいぞ京一郎! 京一郎は男のくせにおしゃべりだった。 だから拓哉はこうなることを予想していたのだ。 これで明日学校に行けば、俺と山野は噂のカップル。 山野はますます俺から逃げられなくなる。 計算高い拓哉の目が、妖しくキラリと光った。
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