本物

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心結は昼休みに依理子たちとお弁当を食べていた。 心結が偽装恋愛を始めてから2週間も経った今、拓哉と心結の仲は周知のこととなり、二人を冷やかす生徒は一人もいなくなっていた。 それどころか、心結に彼氏ができたことで、依理子たち3人は急に焦り始めていた。 だから最近の話題は、どうやって彼をゲットするか! これのみに絞られていた。 そんな賑やかなガールズトークが繰り広げられる中、突然心結のポケットで携帯が震えた。 「あっ、メールかな?」 慌ててポケットから取り出した心結は、画面を見て少し青ざめた。 ─今から屋上に来い─ メールは拓哉からだった。 な、なにこれ!? 心結はメールを見た途端、眉をひそめた。
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