本物

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波乱の多かった初デートも、無事に終わりを迎えた。 いろいろな刺激を受けた心結だったが、拓哉の意外な一面を見れたことは嬉しいことだった。 帰り際、拓哉が言った。 「また今度もデートしような。今度はもっと濃厚なヤツにしようぜ」 冗談とも本気ともつかない拓哉のセリフ。 けど心結は、前ほど動揺することはなかった。 「うん、いいよ」 小さく頷く心結の顔は、嬉しそうに笑っていた。 今度はどんなデートかな? なんか楽しみ! 胸を躍らせながら、心結は笑顔で手を振っていた。 今まで拓哉と繋いでいた手には、まだ拓哉の温もりが残っていた。 こういうのってなんかいいよね! 手をじっと見つめながら、にっこり微笑む心結。 心までホカホカと温かく感じられた。 そんな心結の心の中では、この時すでに微妙な変化が起こり始めていた。
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