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こいつ完全に私をからかって喜んでる!?
だって今、私見て笑ったもん!
ひどい!最低だ!
拓哉を睨みつけながら、心結は腹立たしさを増幅させていった。
早朝のため、生徒たちはまだ登校してくる気配はなく、誰かに助けを求めることもできない。
そんな心結の頭にある思いがふと浮かんだ───
でも待って・・・。
どうして私の携帯だってわかったの?
それってまさか!?
心結はジャンプするのを止めると同時に、今度は拓哉に飛びかかった。
そして思いきり拓哉の胸倉を掴むと、「ねえ!なんで私の携帯だって分かったの?昨日何度も電話したんだよ。なのに電波が届かないって繋がらなくて・・・。ねえ、どうして!?」と、物凄い勢いで迫った。
心結のあまりの迫力に、余裕顔を見せていた拓哉も、少し躊躇し始めた。
そして心結の掴んだ手を強引に引き離すと、「分かったよ」と、観念したように心結に言った。
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