本気 *

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──放課後の帰り道 「ここにしようぜ」 拓哉が選んだ店は、カップルに人気のファーストフード店。 初めて来た心結は、店内をきょろきょろと見回しながら落ち着かない様子。 よしっ、見てろよ心結! 俄然ヤル気の拓哉は、ここぞとばかりに本領を発揮し始めた。 「心結は何飲む?」 オレンジジュースと答えた心結に小さく頷くと、拓哉はかばんを置きカウンターに向かった。 *  *  * 「お待たせ」 頼まれたジュースをテーブルに置くと、心結の愛らしい眼差しが拓哉に注がれた。 心結の奴、ちゃんと俺を目で追っているな。 どうだ?これが彼氏だ。 俺の優しさに惚れちゃうか? 拓哉は心結の様子に満足したように、余裕たっぷりの表情を浮かべた。 ところが── 心結は以前付き合っていた彼女の質問ばかりして、拓哉はうんざりしていた。 どうなってるんだ、心結の頭の中は。 あーーーくそっ! なかなか筋書き通りに進まない現状に苛立ちを隠せない拓哉。 気持ちを静めるためコーラに手を伸ばした。
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