本気 *

11/11
前へ
/381ページ
次へ
あれっ?心結が急に大人しくなったぞ。 マジかよ、ホント分かんねー奴。 けど俺の方が先にどうにかなりそうだな。 一足先に限界をむかえようとしていた拓哉の目の前で、心結が何食わぬ顔で氷を頬張っていた。 ったく、人の気も知らねぇーで。 「いいよ、俺が行く」 自分でジュースを買に行こうとする心結を制すと、拓哉はすっと立ち上がった。 ふぅ~、少し気分転換して来るか。 拓哉はポケットの小銭を確かめながら、再びカウンターに向かって歩き出した。 俺は心結にちゃんと刺激を与えてるのか? カウンター越しにちらっと心結を振り返る拓哉。 頬に両手をあて恥ずかしそうに俯く心結に、トクンと拓哉の胸が疼いた。 かなり効いてるみたいだな。 今に見てろよ心結! 絶対に俺を好きにさせてやるからな! そしたらまたここに来よう! けど、その時は一切手加減なしだからな!覚悟しとけ! 拓哉は目から妖しい光を放ち、口元には笑みが零れていた。
/381ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2935人が本棚に入れています
本棚に追加