体験

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心結と拓哉が偽カップルになって早一か月。 そんなある日の放課後── 忘れ物を取りに教室に戻った心結。 机の中から図書室で借りた本を取り出した。 「あったのか?」 教室の入り口で待つ拓哉が心結に声を掛けた。 「うん、ごめんね」 心結は急いで拓哉の元に駆け寄ると、教室を後にした。 「本当に心結は本が好きだよな」 「まあね。だから自分でも書いてみようって思ったんだよ」 「ははっ、俺も本は好きだけど、そんな才能はないな」 楽しい会話が弾む二人。 そんな二人は、誰の目から見ても、お似合いのカップルとしか映らない。 けど、そんな心結にも不安はあった。
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