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「昨日裏庭で偶然このケータイを拾ったんだ。でも電源切れてたし、誰のケータイか分からないし、そのまま捨てて行こうかとも思った。けど、まあいいやってポケットに入れて教室に戻った」
「はぁぁぁ~?ちょ、ちょっと何よそれ!!私がどれだけ必死で探しまわってたと思ってんのよ!」
心結は再び拓哉に掴みかかる勢いで声を張り上げた。
「まあいいから最後まで聞けって」
拓哉は周りを気にしながら、何故かシューズに履き替え始めた。
そして、「来いよ」と心結に向かって言うと、拓哉は一人すたすたと歩き始めた。
「ちょっと、携帯返しなさいよ!」
慌てて拓哉を追いかけようと、心結も急いでシューズに履き替える。
拓哉はいったいどこへ向かっているのだろう?
一刻も早く携帯を取り戻したい心結は、拓哉の後を追い、階段を駆け上がった。
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